2013年1月7日星期一

(朝鮮日報日本語版) 「脱冷戦」の視点で韓国社会を読み解く

(朝鮮日報日本語版) 「脱冷戦」の視点で韓国社会を読み解く
「『解放前後史の認識』(以下『解前史』)で韓国社会を読み解くには、多くの変化が起こり過ぎた。今は、新たな分析の枠組みが必要な時。2012年現在、韓国社会の起源を分析する枠組みは『脱冷戦』であり『世界化』だ」

 1980年代前半から半ばにかけて大学生の必読書とされていた『解放前後史の認識』(ハンギル社)、同書に対する右派的対応として2006年に出版された『解放前後史の再認識』(以下『再認識』)=チェッセサン社=に続き、韓国社会を新たなパラダイムで読み解く本が登場した。『脱冷戦史の認識』(ハンギル社)だ。80年代前半に大学に通った「解前史世代」を主軸に、16人の中道保守・進歩系の学者が執筆に参加した。韓国大統領選挙の熱気が高まった先月19日、本書の執筆の中心となった金皓起(キム・ホギ)延世大学社会学科教授、張勲(チャン・フン)中央大学政治国際学科教授、康元沢(カン・ウォンテク)ソウル大学政治外交学部教授、パク・インヒ梨花女子大学国際学部教授の4人が一堂に会した。

 4人が『脱冷戦史』執筆を決意したのは、2012年現在の韓国社会の起源を追跡しようという取り組みからだった。「『解前史』の執筆者は、ほとんどが1960年代に大学に入った研究者で、『再認識』の主軸は70年代に大学に入った研究者だ。21世紀の韓国社会が抱える問題の起源をきちんと分析するには、第三の代案的視点が必要だった。90年代前後に、韓国社会の調整原理は近代性(産業化プラス民主化)から世界性に移った」(金皓起教授)という。

■脱冷戦・世界化が分析のキーワード
 成長動力の危機、社会の二極化、家族の解体、個人主義、非正規雇用の増加、そして2008年の米国発金融危機などは、いずれも1990年代の世界化から20年の間に起こった事件だ。ここで韓国国内に目を向けると、盧泰愚(ノ・テウ)政権時代の3党合同(統一民主党・民主正義党・新民主共和党の保守系3党が合流し民主自由党を結成。民主自由党は現在の与党セヌリ党の前身の一つ)は、韓国の政治体制を権威主義から本格的な民主体制に移行させ、韓国は現在その基盤の上にあるというのが本書の前提だ。「これまでの世界化分析は、善しあしを問うものが多かった。一方で、世界化がどのように受け入れられ、選択されたのかという過程についての説明は不十分だった」(パク・インヒ教授)、「1987年の民主化以前と以後に分けて観察するのも、断片的な見方」(張勲教授)という問題意識だ。
 本書は、こうした問題意識を基に「民主化の胎動と政治地形の変化」「冷戦解体前後の世界と対北朝鮮外交」「脱冷戦期の高度成長の光と陰」「個人・市民社会の登場と転換された歴史認識」の4部からなり、政治・外交・安全保障・南北問題・経済・社会問題まで広く取り上げている。理念ではなく「世界化」を切り口として振り返る20年は、新たな視点を提供している。

 康元沢教授は、1990年の3党合同について「盧泰愚大統領など新主流派が、過去の権威主義体制の負担から抜け出し、民主化された環境に適合した保守政治をつくり出す契機を整えた」と評価した。盧泰愚政権は、冷戦的反共主義から抜け出すことで、北方政策など脱冷戦的国際秩序に積極的に対処することができ、金大中(キム・デジュン)元大統領もまた、地域主義の構図から抜け出すため、連携と統合により理念的進歩性を強化したと分析した。現在の韓国政治の在り方は、3党合同で作り出された基盤を主軸にしているというわけだ。またこの時期から、本格的に韓国社会で個人や市民が登場するようになった点も、研究者らが注目しているテーマだ。

■依然として続く保守・進歩陣営の対立
 研究者らは、今回の韓国大統領選挙について「理念対立というよりは、陣営間の総力戦」(張勲教授)であって「長期的には脱理念、あるいは理念の混じり合い現象が生じるだろう」(金皓起教授)との見方を示した。また、基本的な体制の枠組みに対するコンセンサスがあれば、韓国的な保守・進歩間の対立をめぐっても、否定的な見方ばかりにはならない、という意見も出た。「対北朝鮮政策も、太陽政策と厳格な相互主義という温かい政策と冷たい政策との間を行き来することで、学習効果が生まれた」(康元沢教授)という。

■「伝統保守」「伝統進歩」間の交流が必要
 中道的立場から執筆した研究者らは、対話と交流を強調した。「伝統保守・伝統進歩の間の交流は、活発にはなされていないようだ。政界の対立を批判する前に、学界内部で自己省察があるべき」(金皓起教授)という反省だ。張勲教授は「研究者の活動も、これまでは自分の陣営にのみ訴え掛ける傾向があった。分析は独自の価値観を土台にしていても、全体を意識した活動になるべきではないだろうか。そうした点から、本書は一つの事例になっていると思う」と語った。【関連記事】 キム・テヒさんとのデートは事実、RAIN上等兵を処分へ 「金正恩氏は前向きなシグナルを送っている」 在韓日本大使館の駐在官、タクシー運転手に暴行 「靖国神社放火は政治的抗議、日本に引き渡せば迫害受ける」 靖国放火犯の釈放、韓日関係に与える影響は
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